※本記事を作成するにあたり
「公益財団法人日本食肉消費総合センター 食肉なんでも大図鑑 食肉の質は疲労やストレスも影響」
を参考にさせて頂いております。
はじめに
お肉を購入する際に、同じ商品・同じ場所で購入しても品質に差が出る事があると思います。
お肉の味や品質に影響を与えるのは、餌と環境(ストレス)による影響が大きいとされ、飼育環境や、と畜前の状態により異常肉という物が発生します。
異常肉の種類と原因
PSE肉
肉の断面色が悪く、柔らかすぎてしまりがなく水っぽい事から、保水性の低下となり、ドリップが多く食味が劣ります。
ふけ肉・むれ肉・やけ肉ともよばれ、保水性が悪く、加熱した物は食味が悪く加工用にも向かないお肉です。
原因としては、遺伝的な要因や、と畜前に休息を与えなかったり、ストレスが多い環境にいる家畜のお肉に多いとされています。
家畜が疲れやストレスを感じている時には、エネルギーのもとである化合物(アデノシン三リン酸・ATPを生産する筋肉中のクレアチンリン酸・グリコーゲン)が減少しています。
これらの化合物は良質な食肉を作る為に大切な物ですので、回復しないうちにと畜を行ってしまうと、異常肉の発生の原因となります。
DFD肉
PSE肉とは逆の特性で、肉色が赤黒くなり、肉質がしまり過ぎて硬くなり、断面が乾燥し、乾いた状態のお肉です。
微生物が発生しやすく保存性が悪くなります。
原因としては、本来食肉になった際に酸性になるはずのお肉ですが、生体時の筋肉に含まれているグリコーゲンなどが疲労やストレスにより減少していた際、乳酸の生成量が少なく、中性に留まります。DFD肉はこのようなお肉に多いとされています。
RSE肉
RSE肉と呼ばれる異常肉もあり、これは色調は普通で問題ないのに軟質で滲出性のある状態のお肉であり、PES肉同様食味が劣ります。
異常肉の発生抑制と対応
以上の事から、と畜前の飼育環境によるストレスの軽減は、異常肉の発生を抑制する上で非常に大事な事だとわかります。
と畜後の管理状態も大切であり、温度が高い状態の保存は高確率でこのような異常肉の発生に繋がります。
ドリップが全くない事は難しいですが、きちんと対応している商品を選ぶ事が必要です。
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